近代能楽用語索引Index of Nō-related Terms in Modern Texts

近代芸談における技芸用語

主にシテ方の技芸にかかわる用語の索引。姿勢、視線などの重要と思われるトピックのほか、『能楽大事典』(筑摩書房)に立項される技術用語を対象としました。同表記・別意味の語を別に立項した場合(例:「運び」を歩き方と謡い方で別立項)も、逆に同意味・別表記の語をまとめて立項した場合(例:眼、目、目玉)もあります。

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なだがえし【灘返】

三宅襄・丸岡大二編『能楽謡曲芸談集』(1940)
  • 105金剛返は灘返のことです。ロンギの「灘の汐くむ浮き身ぞ」を常の通にシテとツレが連吟しまして、次に地謡が「灘の汐やく」と地トリのやうに低音でつけます。そして今一度「灘の汐やく浮き身」とシテが今度は独吟するのです。
  • 110今度の松風は灘返で舞ひますが、これはロンギのところが平生と違つて来るのです。流儀ではシテとツレの連吟になつてゐるのを、灘返になると、「灘の汐くむ」のところ丈を、シテが独吟して、そして此処へ汐を汲む型が入ります。後の句からは又ツレと連吟になります。この灘返は流儀では久振に出すのです。