近代能楽用語索引Index of Nō-related Terms in Modern Texts

近代芸談における技芸用語

主にシテ方の技芸にかかわる用語の索引。姿勢、視線などの重要と思われるトピックのほか、『能楽大事典』(筑摩書房)に立項される技術用語を対象としました。同表記・別意味の語を別に立項した場合(例:「運び」を歩き方と謡い方で別立項)も、逆に同意味・別表記の語をまとめて立項した場合(例:眼、目、目玉)もあります。

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もち【モチ】

野口兼資『黒門町芸話』(1943)
  • 64引きのある場合には引きの前、また引いたあとは大抵運ぶやうであります。心得て居て損はありません。またニベをつけられてあるモチ、モチといふと大概わざとらしくなりますが、これはあからさまに持つたのでは甚だ品の悪いものとなります。つまり一般には持ち過ぎるやうな傾きが御座いますが、持チと云つても殊更にこれを現はすものでは御座いません。又ノミ節も大概は小さいものですから膨れないやうにしなければなりません。
野上豊一郎編『謡曲芸術』(1936)
  • 228むろん字数は十六字に限つたわけでなく、いろ〱であるが、字数が少なければ少ないで、それ〲「持チ」や「引キ」によつて、中ノリの拍子に当てはめてゆく。