もち【モチ】
野口兼資『黒門町芸話』(1943)
- 64引きのある場合には引きの前、また引いたあとは大抵運ぶやうであります。心得て居て損はありません。またニベをつけられてあるモチ、モチといふと大概わざとらしくなりますが、これはあからさまに持つたのでは甚だ品の悪いものとなります。つまり一般には持ち過ぎるやうな傾きが御座いますが、持チと云つても殊更にこれを現はすものでは御座いません。又ノミ節も大概は小さいものですから膨れないやうにしなければなりません。
- 228むろん字数は十六字に限つたわけでなく、いろ〱であるが、字数が少なければ少ないで、それ〲「持チ」や「引キ」によつて、中ノリの拍子に当てはめてゆく。