わる【ワル】
観世左近『能楽随想』(1939)
- 130「たなびく横霎の金色に匂ふよそほひは」は普通なれば本地二聯に作曲する所であるが、それでは余りに平凡であるし、また此の句が此の小謡の眼睛ともいふべき部分であるから、少しく技巧をこらして、トリ・本地・片地の三聯に割り附け、観世流独特の甲グリを用ひて作曲して見た。拍子当りは少し難しい。次の通りである。