目録付古頭付 【凡例】 一、国立能楽堂蔵『目録付古頭付』の翻刻である。 一、翻刻にあたり、できる限り底本の体裁に従った。改ページは 』で示した。 一、詞章は「 」に入れた。 一、アシライの指示が始まる詞章に傍線を引き、アシライは詞章の後に記した。 一、適宜句読点を付した。 一、虫損は□、改行は/で示した。 一、漢字は新字体に改めた。 一、底本における墨筆・朱筆の別は特に明示していない。 一、本資料の翻刻・校訂は深澤希望・森田都紀・中司由起子・山中玲子・高桑いづみが、解題は高桑が担当した。 【翻刻】 ○一〽たかさこ   ○一〽もり久     ○一〽遊行やなき ○一〽田むら    ○一〽源氏供養    ○一〽あこき ○一〽松風     ○一〽はころも    ○一〽春か龍神 ○一〽せかひ    ○一〽たへま     ○一〽ともなか ○一〽あま     ○一〽やしま     ○一〽道成寺 ○一〽あたか    ○一〽てひか     ○一石橋 しやきやうとも云 ○一〽もみちかり  ○一〽かしわさき ○一〽とをる    ○一〽のゝミや ○一〽おひまつ   ○一〽せつしやう石 ●一〽きよつね   ○一〽夕かほ ○一〽ゆや     ●一〽つねまさ ●一〽長郎     ○一〽ゑくち ○一〽ふし太こ   ○一〽西行桜  』 ▲たかさこ 初大臣次第。「日も行末そ久しき」中の高ね。いかにも祝言ニふき納也。 一「はる〳〵のミやこちを、〳〵」〽高ね一ツ吹。又中のたかね一ツも吹なり。 一「いくかきぬらん跡すゑの」〽中のたかね返て一ツ吹。 一「高砂の浦に着にけり〳〵」〽六ノ下。いかにもゆふ〳〵と吹へし。 一せりふ「相待」「くわしく尋はやと存候」〽ひしき。一セイ。ツヽミのちを二ツ三ツ程きさミいたさせ、一セイ笛也。 一「尾上のかねもひゝくなり」〽呂ノカスリ一ツフクナリ。 一「なミハかすミのいそかくれ」〽タカね一ツ。 一「おとこそしほのミちひなれ」〽中ノタカね一ツ。又吹返すノチイロヱテ。 一「こゝろヲともトすかむしろの、おもひ」本ノ呂。又のちイロエテ。 一「ところハたかさこの〳〵」〽中のカね一ツ。  一「なるまていのちなからへて」たかね一ツ。 一「それも久しき名所かな〳〵」〽六ノ下一返。 一「しる事あらハ申さ給へ」〽コテノイロヘ。 一「相生のふう〳〵と成物お」〽フウ〳〵コテノフキヤウアリ。 一「しかいなミしつかにて」爰にて不吹候。 一「松こそ目出たかりけれ」〽中ノカね一ツ。 一「すめるたミとて」〽タカね一ツ。ハねテ一ツ。  』 一「猶々松の目出度いわれ御物語候へ」〽本ノね取。ヲルタカね□てフク也。 一「なんし花はしめてひらく」〽下ノ上ノゆり。うたイノゆりト合候ヤウニ吹アハスヘシ。 一「いきとしいける物ことに。しきしまの」〽カンノ六ノ下一返。クせマイノウチマテフクヘシ。 一「ミな和歌ノすかたならすや」〽中ノタカね一ツ。 一「はんミんこれをしやうくわんす」〽タヽリウロ。 一「立よるかけの朝夕に」〽タカねノひしき一ツ。又はねて一ツ。 一「たとへなりけり。ときハ木の中にも名ハたかさこの」〽中ノタカね一ツフクヘシ。たかね一ツ。又はねて一ツ。 一「けに名をゑたる松かへの」〽タカねノひしき一ツ。 一「かしこきよとてつちも木も」〽はねて一ツ。 一「あまの小舟にうちのりて」〽たかねノひしき一ツ。又ハネテ一ツ。 一「沖ノ方に出にけりや〳〵」〽大ゆり吹也。大夫かくやへ入間吹ヘシ。 一「この浦舟にほゝあけて〳〵」〽タカねノひしきはねて一ツ。 一「はや住ノ江に着にけり〳〵」〽ひしきニてテハフクナリ。 一「夜ノツヽミの拍子をそろへ」〽呂ノのタレフク也。 一「しやうこんによつてこしをすれハ」〽タカねノハねテ一ツ。「千年のみとり」たかね一ツ。  』 一「二月ノゆき。ころもにおツ」〽マイアリ。  一「さてはんせいハおミ衣」タカねノひしキ一ツ。 一「千秋楽ハ民をなて」〽タカねノひしキ。又ハねて。はねて一ツ。又吹返す。 一「さツ〳〵のこゑそたのしむ〳〵」〽笛吹上也。ツヽミの打上ノ拍子をうけてのひ〳〵トひツと/フクヘキ也。 ▲一田村 初僧ノ次第。「九重の春に急かん」〽ソトイロヘアリ。「春のそら〳〵」ヲルタカね一ツ。 一「かすむそなたや音羽山」〽中ノタカね一ツ。「清水寺に着にけり〳〵」〽六ノ下一返フク也。/せリフきゝ合ひしき一セイ也。ムスフねトリヲフクヘシ。 一「じしゆこんけんの花さかり」中ノタカねノチソトイロヘて。 一「神の御庭の雪なれや」〽ソトイロヘ。「霞もうツもれて〳〵」〽中ノタカね一ツ。 一「けに九重の春の空」〽ヲルタカねきりテ一ツ。「時そとミゆるけしきかな〳〵」〽六ノ下一返。 一「ありしハ是坂ノ上の」〽ソトイロヘ。「なに流たる清水の〳〵」〽タカね一ツ。 一「国土万民おもらさしの」〽下無ゟタカねへ吹上コテヘヲトシテ一返。「我らかための観世音」〽タカね一ツ。又コテへヲト/して一返。 一「地主権現の花の色も」〽ソトイロヘ有。「しめちかはらのさしも草。我世の」〽ヲルタカねキリテ一ツ。 一「ミとりもさすや青柳の」〽下無ヨリタカねへ吹上六ノ下ヘマハシテ一返。 一「春もおしなへて。のとけきかけハ有明の。天もはなにゑゝり」〽タカね一ツコテ一返。ロンキマテゆふ〳〵ト吹かけへシ。又タリ不申候ハヽ六ノ下吹ヘシ。  』 一「さかのうへの田村たうの軒もるや」〽タカね一ツコテヘヲトシテ一ツ。「内にいらせたまへけり」六ノ下一返。 一「此御経おとくしゆする〳〵」〽ひしきニてカケノねトリニタカね吹テゆりヲフクナリ。 一「観音おうこの結縁なる」〽中ノタカねイカニもツヨク吹也。くり「則当寺の法力なり」〽ゆりナリ。 一「いそきそうとにうツ立たり」〽六ノ下一返。「駒もあしなミやいさむらん」〽爰ニて大夫ノしまい有/間不可吹。口伝。 一「さきかけんとかつ色ミせ」〽たかねノひしき一ツ。「すゝかのみそきせしよゝまても」〽六ノ下一返イカニもツヨクテ/イロ不可吹也。 一「とふよふせり」〽はたらきいかにもツヨク/ヲシカケテフクナリ。「かたきハほろひにけり」〽タカねノひしき一ツ。トメ。 ▲一松風 初僧ノ次第。「人にたつねはやとおもひ候」〽コテ一ツ。 一「山もとの里まてゆかはやとおもひ候」〽ひしき一セイ。ヤマノハノねトリ/クライ序ノ序。 一「うき世にめくるはかなさよ」〽呂ノカスリ。「なミこゝもとや須マの浦」〽タカね一ツ。 一「月さへぬらす袂かな」〽中ノたかね一ツ/又イロヘテ。「月の夜しおをくまふ」〽呂ノコテ。 一「おもひおほさぬ心かな」〽呂ノコテ。「いさやくまふよ〳〵」〽ソトコテ。  』 一「かけはつかしき我すかた〳〵」〽ヲルタカねキリテ。 一「あまのすて草いたつらに。くちまさり行袂かな〳〵」〽下ノタカね一ツ。コテヘヲトシテ一返。 一「秋なりけり。あら心すこの夜す」〽呂ノカスリ。「帰るかたをなミ〳〵」〽タカね吹ムスひ一ツ/ゆふ〳〵ト吹ヘシ。 一「ふけ行月こそさやかなれ」〽ヲルタカねキリテ一ツ。「かけヲくむこそ心あれ〳〵」〽コテノイロヘ一返。 一「しをちかなや」〽呂ノコテ一返。イカニも/ウツクシクフクヘシ。「あるしに其由申候ハん」〽立マハル度ニ口伝有/コテノイロヘ。 一「叶ふましき由申候へ」〽そトイ/ロヘル也。「おとまりあれと申候へ」〽呂ノコテ。 一「又いつの世のおとつれを」〽ソトイロヘ。「我あととひてたひたまへ」〽コテノイロヘ。 一「露も思ひひも乱つゝ」〽ヲルタカね/キリテ。「かミのたすけも波の上」〽タカね一ツ。コテ一ツ。 一「わするゝ隙も有なんと」〽下ノタカね一ツ。コテ一ツ。「かけてそたのむうなし世に」〽ヲルタカネ/一ツ。 一「おもかけに立まさり。をきふし」〽タカねノフキムスひ一ツ。中ノタカね一ツ。又ツキテ。 一「ふししツむ事そかなしき」〽能乱舞ともニ/不可吹候。但乱舞ニテハツヽミ一ツ二ツ程こいやいニて呂のこて少吹へし/能ニてハものき也。 一「またハこんとのことのことのはの。こなたハ忘れす」〽呂ノコテ一ツ。爰ニテ心有ヘシ。  』 (欠葉あり) (熊野) 一「春もちゝの花さかり」〽カンノカン一ツ。 一「わらハお酌に参候へし。いかにゆや。一さし御舞候へ。ふかきなさけを人やしる」〽マイ有。 一「ふるハなミたか桜花」〽タカね一ツ。「ちるおをしまぬ人やある」〽短冊之段。フキヤウ口伝/吹上ニくテンアリ。 一「かりかねの。それハこしち。我ハ又」〽タカねノはねテ。トメ。 ▲一初長郎ノなのり。しんニ吹也。 「こかうの天も明行ハ〳〵」〽タカねノひシキ一ツ。 一「しらみ渡れる川波や。かひのと」〽六ノ下一返。イカニモ/ツヨク吹也。「待かひもなしや。はや帰れ〳〵」〽タカね一ツ。 一「夜ふかくきたられハ我も又。爰に」〽タカねノひシキ一ツ。又コテ一ツ/テイロせス吹也。「思ふ心をミんためと〳〵」〽中ノタカね一ツ。 一 「いさみをなして帰りけり〳〵」〽六ノ下一返。かたひしキニテはやツヽミ有。其内大ゆり吹也。ノチ/はねテ一ツ。キウケン帰候ヲ見合ひシキ一セイ。かけノ音取ニゆりヲ吹也。 一「月もくまなきしんかうに〳〵」〽タカねノひシキ一ツ。「おもふねかいもミツしほの」〽中ノタカね一ツ。 一「こまを早むるけしきあり」〽いかにも静なる早笛。ノチ吹そらす。/又出羽ニモ在。大夫ニとうヘシ。「くツをはせうより〳〵」タカねノハねテ一ツ。 一「とるへきやうこそなかりけれ」〽早笛有。かる〳〵と/ひシカスカヽルヘシ。 一「ふしきや川波立帰り〳〵」〽爰ニてはや笛ニも。又はたらきニも有。能々大夫ニとうへシ。又ナニモ/ナケレハタカネノひシキ一ツヨク候ナリ。 一「立まちすかたハくわうせきと」〽タカネノはねテ。トめ。 』 ▲一ふし太こ 初大臣ノなのり。「ふしかゆかりの物来りて候ハヽ、かたミの物をつかハさはやと存候」〽ひしキ。女ノ/次第。 一「あかしかねたる夜もすから」〽コテノイロヘ。「ねられぬまゝにおもひたツ〳〵」〽ヲルタカね一ツ。 一「松のひまより詠れハ〳〵」〽中ノタカね一ツ。「男山。ミやこにはやく付にけり〳〵」〽さうの六ノ下一返。 一「すゝむなミたハせきあへす」〽ソトコテ。「かたミそよしなき」〽ソトイロヘ。 一「かねてよりかく在へきと思ひひなは〳〵」〽たかねノ吹むすひ一ツ。 一 「なミたにてもとむへき物を今更に」〽下ノタカね一ツ。コテヘヲトシテ一ツ。「神ならぬ身を/うらミかこちなけくそ哀成〳〵」〽ものき在。しんニフクヘシ。 一「秋の風ゟすさましや」〽イロヘ在。「うてや〳〵とせめツヽミ」〽タカね一ツ。 一「あらさてこりのなくねやな」〽中ノたかね一ツ。「太こうちたるや」〽かく有。 一「太ここそうき人の」〽タカねヲサヘテ一ツ。「帰りける」。トめ。 ▲一もり久 初もり久なのり。「春なきなこりかな」〽タカね一ツ。 一「たきつこゝろお人しらし」〽中ノたかね一ツノチ/イロヘテフク也。「いつ帰るへき旅ならん」〽呂ノコテ。 一「かわらよつのつし」〽コテイロヘ。「行も帰るも別てハ〳〵」〽ヲルタカね一ツ。 一「せきもりも。今のわれをハよもとめし」〽中ノタカね一ツ。 』 一「みのをハり。あつた」〽コテノイロヘ。「はやかまくらに付にけり〳〵」〽六ノ下一返。 一「あら在かたの御経や」〽中ノタカね一ツ。 一「御使度々にかさなれハ、めしにしたかい盛久ハ」〽タカねノひシキ一ツ/又ハねテ一ツ。 一「其由を申候へ。畏て候」〽しか〳〵アシライ無之候。 一「大悲の光。いつくふたうの所ならん」〽爰よりフき上ル/ゆりナリ。 一「の給ひて夢ハ即さめにけり」〽タカね一ツコテヘヲトシテ一返。「心かきりなし」〽コテノイロヘ。 一「御しんかんハかきりなし」〽ソトコテ。 一「もろこしかはらも此所に」〽舞有。吹やうクテン有之。 一「申つかまつり。退出しける」〽タカねノひシキ。又はね返し/祝言トめナリ。 ▲一けむしくやう 初僧ノ次第。いかにもうつくしき高音。又しんニフクヘシ。 一「花ノ宮こを立出て〳〵」〽タカねノ吹むすス一ツ。「白川おもて過行ハ」〽中ノタカね一ツ。 一「にほのうミ。けにおもしろきけしきかな〳〵」〽さウノ六ノ下返。 』 一「立こそ水のけふりなれ〳〵」〽呂ノコテ。「是迄あらハれ出たるなり」〽コテノイロヘ。 一「いろに出るかむらさきの〳〵」〽下ノたかねニテイ/ロシテ。「夕日かけさしてそれとも」〽中ノタカねツキテ又/コテヘ/ヲトシテ。 一「とハおもへともあたし世の〳〵」〽ヲルタカね一ツ。「色在花も一時の」〽中ノタカねツキテ/一ツ。 一「頼すくなきこゝろかな〳〵」〽ひしき一セイサウノ/ねトリニゆりヲフクナリ。 一「ミへん姿ハはつかしや」〽中ノたかね一ツ。 一「なのらすとしろしめされよや」〽コテノいろヘ。「石山寺のかねノこゑ」〽中ノたかねつき/て一ツ。 一「うつゝに返すよしもかな」地返して〽コテのいろへ有之。 一「むらさきにほふ袂かな」〽かけりノ舞ニも有。吹上呂ニテとむる又/イロヘニも有。大夫にとうヘシ。 一くり 「槿花一日唯おなし」〽下ゟ吹上候ゆり。「幽霊成等正覚」〽呂ノコテ有。 一「相へつりくのことハりまぬ」〽をるたかねきりテ一ツ。「朝かほの光たのまれす」〽ソトいろへ。 一「つかさくらゐをあ」〽高音ノ吹むすひキリてつきて。 一「ゑこうもすてをわりぬ」〽コテノいろへ。「夢のうきはしの夢の間」〽たかねヲサヘテ。 ▲一羽衣  初ひしき一セイ。むすふ音取なり。「浦人さハく波路かな」〽中たかね一ツ。 』 一「立つれいさやかよハん〳〵」〽呂ノコテ一ツ。「うき波たつと見て〳〵」〽高音のひシキ一ツ。 一「吹ものとけき朝風の」〽中ノたかね一ツ。「つり人おゝき小舟かな〳〵」〽六ノ下一返。 一「行ゑしらすも」〽そといろへ。「ひんかのなれ〳〵し〳〵」〽高音一ツ。 一「天路を聞ハなつかしや」〽中ノ高音つきテ一ツ。 一「空に吹まてなつかしや〳〵」〽下ノ高音一ツこてへヲトシ/テ一返。 一「此時や初なるらん」〽ものき有之口伝。「空ハかきりもなけれハとて」〽高音一ツ。 一「なつけたり」〽ゆり。「世につたへたる曲とかや」〽僧ノ六下一返。 一「月もくもらぬ日の元や」〽そといろへ。「なつともつきぬいわをそと」〽高音ノ吹むす/ひ一ツ。 一「白雲の袖そたへなる」〽コテノイロヘそと。「舞の曲」〽マイ。 一「返も舞の袖」〽天女ノはの舞。「あつまあそひのかす〳〵に」〽高音ノひしき/一ツ。 一「ふしの高ねかすかに成てあまつ」〽高音ヲサヘテ。トめ。 ▲一たゑま 初次第。「かへりきの路のせきこゑて〳〵」〽ヲル高音一ツ。 一「夜昼わかぬこゝちして」〽中ノ高音。「たへまの寺に付にけり〳〵」〽さうの六ノ下一返/せりふ聞合ひシき/一セイ。 』 一「すゝしき道ハたのもしや」〽中ノ高音一ツ/のちいろへて。「五色にいかてそミぬらん」〽呂ノコテ。 一「何にはる〳〵とおもふ乱」かつらノ呂一返。「迷ふ我かためなれや」コテノいろへ。 一「是そ一こゑの〳〵」〽ヲル高音きりて。「よきやうの法ハよもあらし」〽中ノ高音つきて。 □「明れハ出て暮まて」〽下ノ高音一ツこてへ/ヲトシテ一返。「一心ふ乱に南無あみたふつ」 〽呂ノかすり。 一「ひさくらの」〽そといろへ有。「かけしはちすの糸桜」〽中ノ高音一ツ。 一「くれなひもたゝ一こゑのさそハんや西吹秋ノ風ならん〳〵」〽高音ノ吹むすひ一ツ。高音一ツコテヘ□トシテ一返。 一「抑此たへまのまんたらと申ハ」〽カンのカン一ツ。いかにもうつくしく。「右大臣とよ成と申しゝ人」〽たかね一ツ。   〽ゆり 一「三昧のちやうに入給ふ」〽僧ノ六ノ下一返/うつくしく。「一人の老尼のこつせんと来り」〽下ノ高音一ツコテヘヲトシテ。 一「ちうしやうひめあきれつゝ」〽そといろへ。 一「たつきもしらぬ山中に」〽たかね一ツ又高音ノ/吹むすひ一ツ。「こたへさせ給ひしに」〽ヲルたかねきりて一ツ高音/一ツコテ一ツ。 一「正身のミた如来けに」〽高音一ツコテヘ/ヲトシテ。「尼上のたけとハ申なり老の坂を」〽下ノたかね一返中入まて吹也。さ/しきニて不吹候。 一「いひもあへねはふしきやな〳〵」〽たかねノひしき一ツ。「あらハれ給ふふしきさよ〳〵」〽ひしき出羽也。此出羽心/有ヘシ。吹上候事ふ可吹候。 一「ほつしんきやく来のほうミを」〽呂ノのたれ有之。「せつしゆふ捨」〽大ゆり吹様有之。 一「十こゑも一こゑそ有難や」〽ワキ能ニテは神舞ノ吹出し/つねハさうの舞也。「たゝ西方にむかへ行」〽たかねノひしき又/はねて。 』 (欠葉あり) ▲一せつしやう石 初僧次第。「うき世のたひに出よ」〽そといろへ有。 一「身ハいつくともさためなき〳〵」〽たかねノひしき一ツ。「心のおくをしら川の」〽中ノたかね一ツ。 一「なすのゝ原に付にけり〳〵」〽六ノ下一返。「もとめたまへる命かな」〽コテノいろへ在。 一「なすのゝ原に立石の〳〵」〽たかね一ツ。「又立帰る草の原」〽中ノたかねつきて一ツ。 一「ものすこき秋の夕かな」〽呂ノコテ。くり「御物語候へ」〽かんノカン一ツ。 一「うへ人たりし身なりしに」〽ゆり。「たまもの前とそめされける」〽さうの六ノ下一返。 一「ひとへに月のことなり」〽そといろへ。「あへのやすなりうらなつて」〽たかねノひしき一ツ。 一「かたむけんと化生して」〽高音一ツ。をるたかね一ツ。「きへし跡ハこれなり」〽そといろへ。 一「立帰り夜になりて」〽たかね一ツ。「此夜ハあかしともし火の」〽たかねノひしき。 一「石にかくれ失にけりや〳〵」〽コテノあしらい有。「御たすけあと給候」。 一わき「木石心なし」〽大ゆり。「なさんせつしゆせよ」〽ひしかす。さうの出羽吹也。 一「あらわれ出たるおそろしや」〽大ゆり少吹也。「約束かたき石と成て」〽はねて。トめ。 ▲一夕かほ 初僧ノなのり。「花むらさきの野お分て」〽そといろへ。 一「ふしおかミ〳〵」〽ヲルたかね一ツ。「月やあらぬとかこちける」〽中ノたかね一ツ。 』 一「尋とひてそくらしける」〽六ノ下一返。「しハらくやすらい尋はやとおもひ候」〽下ノたかね一/返。口伝。 一「かけやたゑなん」〽コテノいろへ。「さハりとなれは今も猶」〽呂ノコテ。 一「かよふ心のうき空を〳〵」〽ヲルたかね。きりて一ツ。「むなしきそらにあをくなり〳〵」〽コテノ吹上一返。 一「かハらのいんと御覧せよ」〽コテノいろへ。「たれかハかりニも語伝む」〽下無てうゟ吹上ゆりきりて吹也。 一「たよりにたてし御車なり」〽呂ノコテ一返。「はかなかりけるひおむしの」〽コテノいろへ。 一「風にまたたくともし火の」〽ヲルたかね。きりて一ツ。 一「夢にきたりて申とてあり」〽下ノたかね。コテヘ/ヲトシテ一ツ。「いさゝらハ夜もすから〳〵」〽たかねノ吹むす/ひ一ツ。 一「とふら法そ誠なる〳〵」〽ひしき僧ノ音取ニゆり吹也。「あと能とむらひ給へとよ」〽中ノたかね一ツ。 一「さも物すこき思ひたまハし」〽そといろへ。「しるへにて」〽たかね一ツ。 一「ちきりたゑすな〳〵」〽中ゟ吹出、序ノ舞。「法に出るそとあけ暮のそら」〽たかねヲサヘテ又はねて/トめ。 ▲一つねまさ 初僧ノなのり。「在かたさよ」〽そといろへ。 一「彼せいさんといふひわを〳〵」〽をる高音一ツ。 一「こゑもふつしをなしそへて」〽中ノ高音一ツ。「きせんの道もあまねしや〳〵」〽下ノ高音一返吹かけて。   〽シテ出るこゝろかけ口伝有之。  』