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能の「ことば」オンラインリソース集

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江戸期版行謡本五百番

ここでは、江戸時代の標準的な版行謡本である「元和卯月本」(内組百番)と「明暦野田本」(外組百番)所収の200曲、さらにそれに続く形で刊行された、通称「三百番本」「四百番本」「五百番本」所収の「番外曲」(各流で通常演じられる以外の曲)300曲、合計500曲の翻刻詞章をテキストファイルで公開しています。
各版本の所収曲一覧と、五十音順の曲名索引、どちらからも本文に飛ぶことができます。これらの本文には、「謡曲仏教関連語句データベース」各曲ページ曲名の横のボタンからも飛ぶことができます。また、この500曲のデータは本リソース集の「詞章検索用簡易データベース」にも組み込まれているので、全文検索も可能です。今後、謡本の画像データとも紐付けをおこなっていく予定です。
*謡は1番、2番と数えます。内組百番は、最もポピュラーな曲目100曲のセット、外組百番は、その次の(少し遠い)100曲のセットという意味です。
*「元和卯月本」は元和六(1620)年刊。観世大夫暮閑の高弟、石田少左衛門が節付を加え、刊行されました。「明暦野田本」は明暦三(1657)年、京都の書肆野田弥兵衛の刊行。「三百番本」は貞享三(1686)年、「四百番本」は元禄二(1689)年に、同じく京都で禁裏御用・幕府御用を勤めた林和泉掾が刊行。「五百番本」は元禄十一(1698)年に江戸日本橋の田方屋伊右衛門が刊行した後、正徳六(1716)年に「三百番本」「四百番本」と同じ林和泉掾が刊行しています。これらの本の詳しい書誌情報や刊者については『鴻山文庫蔵能楽資料解題(上)』(表章。法政大学能楽研究所。1990年)、『版本番外謡曲集(1~3)』(伊藤正義編。臨川書店。1990年)をご参照ください。

入力本文とプロジェクトメンバーについて

【入力本文について】

「元和卯月本」は、「半漁文庫」にアップされている翻刻テキストを後藤淑他編『元和卯月本謡曲百番』(笠間書院、1977年)の写真と照合し、必要な訂正を施しつつ入力しました。
「明暦野田本」についても、半漁文庫の翻刻テキストと能楽研究所蔵「明暦野田本」(写真)を照合して同様の作業を行っています。また、「番外曲」3種の300番の翻刻にあたっては、前掲『版本番外謡曲集(1~3)』所収の影印を利用しています。翻刻・入力にあたっての方針は以下のとおりです。
1)原本の改行は無視し、役名が変わるところで改行する。
2)ゴマ節が付してある部分は、《 》で括る。
3)庵点は、 〽として入力、原本句読点は「。」で入力し、他に、誤読を避けるための読点や濁点を、適宜補う。
4)「ツレ」「ワキ」「二人」「大臣」などの役名、 「一セイ」「次第」「マヒ」などの楽曲指示は { }で括る。句の途中にある「下」「ハル」「クル」「色」などの曲調注記は、翻刻しない。
5)原本破損・汚損などで読めない部分は ● で、解読出来なかった文字は ■ で示す。

【プロジェクトメンバー】

科研費による研究のメンバーと分担は以下のとおりです。
●翻刻・タグ付け:豊島正之(上智大学名誉教授)・伊海孝充(法政大学)・山中玲子(法政大学)
●DB作成・サイトの設計:高橋悠介(慶應義塾大学)・森幹彦(法政大学)

本プロジェクト全般を通して、多くの研究協力者に多大な助力を得ました。研究協力者のお名前と分担は以下のとおりです。
●「元和卯月本」「明暦野田本」の翻刻・タグ付け:毒島佳奈・岸夏美・黒川茉莉・菅歩
●「三百番本」「四百番本」「五百番本」の翻刻・タグ付け:井上愛・鵜澤瑞希・大山範子・小室有利子・富山隆広・中司由起子・深澤希望・福島あおい・柳瀬千穂
●翻刻データ整理・DB作成・データベース間のリンク作成:島田和俊

曲名一覧

五十音順 版本別