活動報告
法政大学能楽研究所公開セミナー/法政大学大学院国際日本学インスティテュート合同演習 「狂言の笑い ―昔と今―」
《日時 》 2017年10月7日(土)
《会場》 法政大学市ヶ谷キャンパス、ボアソナードタワー26F、スカイホール
《プログラム》
第一部15:00~16:30 公開セミナー
〈宝の槌〉と〈隠笠〉について 解説:中司由起子
狂言〈宝の槌〉 太郎冠者:大藏教義・主人:大藏彌太郎・すっぱ:善竹大二郎・後見:宮本昇
対談 大藏教義×中司由起子
第二部17:00~19:30 国際日本学インスティテュート合同演習
狂言ってなに? 解説:山中玲子
ワークショップ 講師:大藏教義
復曲狂言〈隠笠〉 太郎冠者:大藏教義・主人:大藏彌太郎・すっぱ:善竹大二郎後見:宮本昇
アフタートーク 装束の紹介
第一部の解説では、類曲関係にある〈宝の槌〉と〈隠笠〉の共通点と相違点をあげて、笑いを導く表現手法に違いがあることを指摘した。対談では大藏教義氏に〈隠笠〉を復曲した意図やワークショップ等で狂言を演じる際の心構えなどをうかがった。時代に合わせて、初心者向けの公演等では言葉を補って説明することもあるが、家に伝承されている台本の言葉を言い換えることはしないという大藏氏の発言が印象に残った。
第二部は法政大学院国際日本学インスティテュートの講義として開催したが、一般にも公開した。解説では狂言についての基本的な事項が解説された。ワークショップでは大藏氏の指導のもと、狂言の笑い方や構えを観客全員でおこない、狂言ならではの擬音・擬態語なども学んだ。最後のアフタートークでは有志の学生に太郎冠者の装束付けがなされた。
今回は一部に〈宝の槌〉、二部で〈隠笠〉の上演もおこなった。一日の催しにおいて、非常によく似た曲を同時に上演することはほとんどなく、非常に有意義な会となった。参加者85名。