活動報告
〈能と仏教〉公開研究会
共同研究「能作品の仏教関係語句データベース作成と能の宗教的背景に関する研究」(代表者:高橋悠介)主催の公開研究会をおこないました。
2019.12.6 第六回公開研究会
「狂言作品における宗教モチーフ概観―寺社の描写を中心に―」中野 顕正 氏(東京大学大学院生)
法政大学 ボアソナードタワー25階 B会議室
18:30~20:30
『大蔵虎明本』所収の狂言作品にみられる宗教モチーフ(寺社の描写)について各寺社やテーマごとに分類・整理した成果を報告されました。中近世宗教史研究会との共催。参加者22名。
2019.7.12 第五回公開研究会
「謡曲《絵馬》管見 ―斎宮・アマテラス・東福寺―」芳澤 元 氏(明星大学 人文学部日本文化学科 助教)
法政大学 ボアソナードタワー19階 D会議室
18:30~20:00
『碧山日録』に書き留められた大極蔵主の伊勢参詣の記事を解釈され、能〈絵馬〉の素材となった斎宮絵馬神事の伝承との関わりを指摘されました。また男神として描かれている天照大神の自画自賛像も紹介されました。参加者13名。
2019.3.13 第四回公開研究会
「咒師作法再考―修正会・修二会研究の視点から―」大東 敬明 氏(國學院大學准教授)
真福寺大須文庫所蔵『中堂咒師作法』と東大寺や薬師寺等の咒師作法を比較考察した発表がありました。
2018.3.20 第三回公開研究会
「謡曲の仏教語句研究事始―日本で形成された句を中心に―」高橋 悠介 氏(慶應義塾大学附属研究所斯道文庫准教授)
共同研究「能作品の仏教関係語句データベース作成と能の宗教的背景に関する研究」における仏教語句の注釈作業の手順と問題点を説明、ケース・スタディーとして注釈の実例を発表されました。能の仏教語句は経典から直接引かれたのではなく、経典の類書や説話集などの幾つもの段階を経て能に摂取されたことを数多くの資料をあげて指摘。これまでの注釈書では指摘されていなかった、より的確な出典を示されました。
2017.12.8 第二回公開研究会
「袈裟をかける人々―能・文学・語録にみる―」芳澤 元 氏(明星大学人文学部日本文化学科助教)
『明宿集』の宿神像を、袈裟をかけた俗体の神像として注目したうえで、室町時代の袈裟をかけた在俗者の肖像や、室町将軍が受衣を重ねた背景など、僧と俗人に相わたる袈裟の意味を広く考察する内容でした。
2017.12.1 第一回公開研究会
「泉涌寺仏牙舎利と謠曲〈舎利〉」西谷 功 氏(泉涌寺宝物館「心照殿」学芸員)
〈舎利〉の成立背景に律宗僧道宣にまつわる説話があることやそれらの説話の源と展開、応仁の乱以前の泉涌寺の状況、後小松天皇や足利義教の参拝と〈舎利〉との関わりなど、非常に興味深いご発表でした。