お知らせ
「千変万化 狂言《附子》―過去・現在・未来―」
【急告】中止のお知らせ
新型コロナウィルス流行の状況に鑑み、参加者全員の健康を配慮して、
3月14日に予定しておりました「千変万化 狂言《附子》―過去・現在・未来―」の開催を中止することになりました。
今回の催しについては、新年度以降に形をかえて開催することを考えております。
その際には、あらためて内容や日程を本サイトにてご案内いたします。
皆様のご理解をお願い申し上げます。
以下の通り、実演つきのセミナーを開催します。奮ってご参加ください。
【日時】2020.3.14(土)13:30〜17:00(13:00開場)
【会場】法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー26階 スカイホール
【入場無料】
【定員120名】(定員に達し次第、締切となります。)
【申込方法】 「申し込み専用フォーム」に必要事項を入力し、お申し込みください。
【チラシ】 こちらからダウンロードできます。
古典芸能の一つである狂言には二つの〝顔〟があります。一つは「中世史劇」としての顔。室町時代に生まれた狂言には、中世の説話から笑いの着想を得た作品、当時の人々の営みが映し出された作品が数多く存在します。もう一つは現代のパフォーミング・アーツとしての顔。声と身体表現が渾然一体となって表現される芸は、世界からも高く評価されています。本セミナーでは、狂言の代表的演目の一つ《附子》を通して、この二つの顔から新たな〝表情〟を探ってみたいと思います。
狂言の笑いの種は日本中世にありますが、その源泉は遠く大陸にも繋がっています。古代中国には狂言に類似した笑話が存在していました。この笑話をもとに《附子》を眺めると、狂言の新たな特徴が浮かび上がってきます。また、狂言を構成する所作・舞と声の芸の間に手話という言語表現を介在させると、狂言でありながら狂言には見られない新たな魅力も現れてきます。この二つの視点から、国際化や多様性が求められるダイバーシティ時代における狂言の可能性を探っていきます。
【プログラム】
13:30〜14:10「狂言《附子》復習・予習」伊海孝充(法政大学文学部)
14:10〜15:10「『附子』はどこから来たのか?」鈴木靖(法政大学国際文化学部)
※上記二つの講演は、手話による内容解説付。(手話:法政大学手話サークル わたがし)
15:30〜16:00【実演】手話狂言《附子》 演出・指導:三宅右近
16:00〜17:00【座談】三宅近成(和泉流狂言方)・江副悟史(日本ろう者劇団、劇団代表)・鈴木靖・伊海孝充
※手話通訳付
協力:三宅狂言会・社会福祉法人トット基金 日本ろう者劇団
主催・問い合わせ:法政大学能楽研究所「能楽の国際・学際的研究拠点」
【出演者プロフィール】
三宅狂言会 和泉流狂言方三宅右近を中心とする会。三宅右近:九世三宅藤九郎(人間国宝)の次男。父に師事。重要無形文化財総合指定保持者。日本能楽会および能楽協会会員。30年以上にわたり手話狂言の指導に尽力。三宅右矩:三宅右近の長男。父に師事。能楽協会会員。三宅近成:三宅右近の次男。父に師事。能楽協会会員。
日本ろう者劇団 和泉流狂言方三宅右近師の指導のもと、狂言特有の動き、運び足をそのままに、手話のセリフと声のタイミングや間の取り方等の手話表現の研究を重ね、古典芸能の強靭さと手話の豊かな表現力をあわせもつ、手話狂言が誕生。台詞を手話で表情豊かに表現し、声のセリフをアテレコすることにより、聞こえる人も聞こえない人も共に楽しむ工夫がなされている。
鈴木 靖 法政大学国際文化学部教授。専門は中国文学・芸能。日本中国学会、日本中国語学会会員。論文に「敦煌写本『啓顔録』について~狂言『附子』の淵源を明らかにした唐代の古写本」(能楽研究第40号 2015年)、「狂言『鏡男』考」(能楽研究第43号、2018年)など。
伊海孝充 法政大学文学部教授。専門は能楽研究。著書に『切合能の研究』(檜書店、2011年)など。