お知らせ
研究集会 近世初期出版文化の中の謡本 ー光悦謡本を例にー
【お知らせ 延期】
3月7日に「研究集会 近世初期出版文化の中の謡本 ―光悦謡本を例に―」を予定しておりましたが、新型コロナウィルス流行の状況を鑑み、参加者全員の健康を配慮して開催を延期することになりました。延期した研究集会の開催日につきましては、あらためてホームページ上にてご案内いたします。皆様のご理解をお願い申し上げます。2020年2月25日
【日時】2020.3.7(土) 13:30~17:00 〔開場 13:00〕
【会場】法政大学 市ヶ谷キャンパス 外濠校舎 S306
【入場無料・申込不要】
【チラシ】こちらからダウンロードできます。
近世初期、大陸から新しい印刷技術が持ち込まれ、日本の出版文化がいっきに花開いた。17世紀初頭までは木活字 を用いた古活字版が流行し、『伊勢物語』『徒然草』などの国文学書も刊行されるようになる。謡本は、整版印刷による 車屋謡本から出版が始まったと考えられているが、その後は元和期ごろまで古活字版が主流であった。つまり、謡本の 出版史は出版全体の歴史から切り離して考えることはできないのである。 ただし、楽譜の一種である謡本は他の国文学書とは一線を画す性格をもつ。その特殊性ゆえ、出版研究の中では謡本 のみ切り離されて研究されてきたところがある。その乖離が顕著なのが、「嵯峨本」とよばれる古活字版の研究ではないだろうか。謡本のみが「光悦謡本」と呼ばれていることが、嵯峨本の埒外に謡本を置く研究状況を如実に物語っている。 近年、嵯峨本研究では瞠目すべき成果が報告されている。組版や底本に関する新見は、この本、さらには近世初期の 出版自体を見直す契機にもなった。同じ趣向を持ち同じ印刷技術で制作された光悦謡本の研究も、こうした成果から学ぶべきものがあるはずである。本研究集会では、嵯峨本研究を光悦謡本研究へ投影させることで、謡本研究全体の更新 を目指すものである。
【プログラム】
趣旨説明 伊海 孝充(法政大学文学部教授)
報告1「古活字版の底本と本文 ―嵯峨本とその周辺を事例に― 」小秋元 段(法政大学文学部教授)
報告2「〈素人〉が作った謡本 ―光悦謡本の分類・底本・節付試論― 」伊海 孝充
コメント 竹本 幹夫(早稲田大学名誉教授)
討論 竹本幹夫・小秋元段・伊海孝充
主催:科研費基盤研究C「江戸時代初期における謡本出版過程とその文化的背景に関する研究」成果報告
共催・問い合わせ:法政大学能楽研究所「能楽の国際・学際的研究拠点」