『闇の夜鶴』を媒介とした江戸中期成立謡伝書の研究(2025~27年度)
- 研究代表者:樹下文隆(神戸女子大学文学部教授)
- 研究分担者:大山範子(神戸女子大学古典芸能研究センター非常勤研究員)
- 研究分担者:高橋葉子(京都市立芸術大学客員研究員)
- 研究分担者:長田あかね(神戸女子大学古典芸能研究センター非常勤研究員)
- 研究分担者:藤田隆則(京都市立芸術大学教授)
- 研究協力者:朝原広基(大阪大学大学院後期博士課程)
- 研究協力者:荒野愛子(神戸女子大学大学院後期博士課程)
【研究目的】
昨年度の能楽の国際・学際的研究拠点共同研究「『闇の夜鶴』を通して江戸中期の謡実態を探る」において精読した謡伝書『闇の夜鶴』(法政大学鴻山文庫三七75)の研究成果を踏まえ、室町後期から江戸初期にかけての上掛り系謡伝書との差異、江戸期版本を含めた江戸中期謡伝書との比較、享保期を中心とする越後村上藩及び上方の能楽事情、さらには江戸中期の十万石程度の小規模大名家における能楽事情、などについて共同研究のメンバーがそれぞれ個別に調査・研究を行い、江戸中期から後期にかけての謡文化の広がりの中で、主として武家における演能実態と上掛り系の謡技法の変遷について、新たな知見を見出す。
本研究のメンバーは、これまでに『師伝書』、『洋々集』、『塵芥抄』、『謡秘伝抄』、『謡鏡』、『謡曲拾葉抄』、『謡秘事哥袋』などの写本・版本の謡伝書・音曲伝書・注釈書の調査・研究に携わってきた。それらの知見も踏まえて、総合的に江戸中期の謡伝授の諸相を明らかにすることで、近代に至る能楽の変遷過程を明らかにすることを目指していく。