弓八幡(ゆみやわた)
① 後宇多院の臣下が、男山石清水八幡宮の二月初卯の神事で管絃の陪従を勤めるように天皇に命じられ、八幡宮に参詣する。
② 老人が若い男を伴って現れる。鳩の峯と呼ばれる男山では、枝を茂らせた高い松の緑が空に映えている。老人と男は、男山の春の景色と八幡の神を讃える。
③ 臣下は、老人が錦の袋に弓を入れて持っているのに気付き、声を掛ける。神代の昔には桑の弓と蓬の矢によって世を治めたと老人は述べ、古代中国の周王朝では天下泰平の象徴として武具の弓矢を袋に納めたことを教える。老人は弓を天皇に捧げようと言い、臣下は若い男から弓を受け取る。
④ 老人は、豊前国宇佐に出現した八幡神が後に都の南の岩清水にも現れたこと、木の枝に黄金の鈴を付けて神遊の舞を舞う、岩清水八幡宮の初卯神事のことなどを語る。
⑤ 老人は実は自分は八幡の末社、高良の神であると告げ消え失せる。
⑥ 男山のふもとに住む男が現れ、男山八幡神や初卯の神事の由来などを語る。
⑦ 臣下が都に神の告げを伝えようと思い立つと、男山に音楽が響き渡り、妙なる香りが漂う。
⑧ 高良の神が現れ、初卯の神楽に興じて「舞」を舞う。
⑨ 高良の神は御代を寿ぎ、月光に照らされた男山の風景が八幡神の威光を表していることを称える。

