お知らせ
企画「金春家文書の世界―文書が語る金春家の歩み―」(展示:9/12~10/6、シンポジウム:9/15)
能楽研究所が所蔵する般若窟文庫は、能楽を伝える家のうち、最も古い家系を誇る金春家に代々伝えられてきた文書群です。その全二千点に及ぶ膨大な資料は、能楽が室町時代から江戸時代にかけて、どのように伝承されてきたかを物語る貴重な資料でもあります。従来、これらの資料がまとまって一般に公開されることはありませんでしたが、今回、般若窟文庫蔵の金春家旧伝文書の悉皆調査とデータベース完成を機に、その主だった資料を展示し、多くの方に御覧いただくことになりました。これに合わせて9月15日(月)には、金春流宗家の金春安明氏にもご登壇いただいて、金春家文書をテーマとするシンポジウムを実施し、金春家の歩んできた歴史を様々な角度から紹介する予定です。
展示「金春家文書の世界―文書が語る金春家の歩み―」
◆展示場所:法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー14階 博物館展示室
◆展示期間:9月12日(金)~10月6日(月)10:00~18:00(最終日は15:00まで)
(休館日、日・祝日。但しシンポジウム開催の9月15日(月)は臨時開館します)
◆観覧無料
◆主な展示品(予定)
金春禅竹筆『明宿集』
金春禅竹筆『二曲三体人形図』
金春禅鳳筆謡本
筒井順昭書状
竹田日吉大夫行盛奥書『風姿花伝』
金春安喜筆『拾玉得花』
金春安喜筆『風聞書伝家集』
金春安住筆『安住行状之大概』
坊城村絵図
金春札ほか
シンポジウム「金春家文書の世界―文書が語る金春家の歩み―」
◆開催日:9月15日(月・祝)10:30~17:00
◆場所:法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー26階 スカイホール
◆入場無料(申し込み不要。直接お越しください。定員100名)
◆プログラム
10:30~12:20
金春家文書伝来の経緯
宮本圭造(法政大学能楽研究所教授)
金春禅竹の交流圏と翁論―『明宿集』を通して―
高橋悠介(金沢文庫学芸員)
役者として、師匠として―禅鳳自筆謡本をめぐる二、三の問題―
石井倫子(日本女子大学文学部教授)
13:30~16:00
金春流型付の展開―被相伝者から見る金春安照型付―
深澤希望(法政大学大学院博士後期課程)
家芸断絶の危機はどう乗り越えられたか―金春八左衛門本の持つ意味―
宮本圭造
道を継ぐ者達への遺言―『安住行状之大概』を読む―
小林健二(国文学研究資料館教授)
16:00~17:00
宗家に聞く
金春安明(シテ方金春流八十世宗家)
聞き手
山中玲子(法政大学能楽研究所所長)・宮本圭造