能楽を中心とする伝統芸能の振りの遡りとサービスロボットヘの活用
- 研究代表者:成田雅彦(東京都立産業技術大学院大学名誉教授)
- 研究分担者:中川幸子(青山学院大学情報メディアセンター助教)
- 研究協力者:鈴木昭二(ロボットサービスイニシアティブ(RSi)代表)
- 研究協力者:山中玲子(法政大学能楽研究所教授)
【研究目的】
本研究の目的は,サービスロボットの身体性を活かし,人と相互にメッセージをやりとりする最適な動作やしぐさの実現を目指し,日本の伝統的な舞台芸術の蓄積や知見をロボットで活用する手法を明らかにし,活用できる形態に再構築することである.これにはロボット設計者の視点でしぐさ選択の根拠となる意味情報や良質な表現が必要となる.これは演出家の視点にも近い.
本申請では,その一環として,申請者の科研費プロジェクト「民俗芸能のわざの蓄積・分析を活用したサービスロボットの身体性の実現」にて提案している人形浄瑠璃を中心としたわざの分析手法「連想モデルによる振りの体系化」[1]を深化させつつ,能楽へ分析の範囲を広げることで,能楽が他分野へどのように影響を与えたか,どのように影響を受けたかを振りのレベルで明らかにし,わざ・振りの起源を遡る.結果,この過程で得られる能楽による振りの意味情報や良質な振りのロボット分野向けの再構築を試みる.