文献資料に基づく能楽の学際的研究
「文献資料に基づく能楽の学際的研究」では、能楽研究の基礎強化と新たな学術的領域の開拓をめざして、所蔵する文献資料を公開・提供し、資料に基づく共同研究をおこないます。
◆2020年度
・『近世諸藩能役者由緒書集成』(中)の刊行
2018年度刊行上巻の続きを一冊で刊行予定でしたが、調査が進んだ結果、資料が膨大な量になったため、2020年度には中巻のみを刊行しました。
・能楽資料デジタルアーカイブの拡充
能楽資料デジタルアーカイブに「和泉流明和中根本」「大蔵流虎清間・風流伝書」「戦国期(永禄頃)囃子伝書」「新九郎流小鼓習事伝書」等、新たに49点のデジタル撮影を完了し公開しました。
・国立能楽堂との協働で、特別展「勧進能」を実施、共同研究・調査の成果を図録等の解説で公開しました。
◆2019年度
・能楽資料デジタルアーカイブの拡充
長らく所在不明になっており、一昨年再発見された貴重な狂言関係資料『名女川本狂言台本・伝書』および法政大学鴻山文庫蔵『名女川家番組留帳』のデジタル撮影を完了し、全冊を能楽資料デジタルアーカイブで公開しました。
・能楽資料叢書『近世諸藩能役者由緒書集成』下の編集
全国各地の図書館・文書館等所蔵の能役者由緒書を網羅的に収集し、翻刻・集成した資料集下巻の編集をおこないました。当初の予定より情報量が大幅に増え、下巻だけで上巻の460頁を大きく超過する840頁となり、原稿はほぼ完成したものの、新型コロナウィルスの流行による図書館・文書館の臨時閉館のため、編集の最終段階における資料のチェックがおこなえず、下巻の刊行は次年度に送られることになりました。